心臓血管外科医渡邊剛の40年の軌跡 ~My Story~
メール外来を始めたきっかけについてのストーリー
私たちは外科医です。手術をすることが仕事ですので、手術件数が増えると、毎日ほとんど手術室で過ごすことになります。そのため充分な外来診療の時間を取ることが難しくなります。
一方で、患者さんは外来で何時間も待って、わずか3分の診察で「手術をしましょう」と言われても納得できるものではありません。そうしたギャップを埋めるために考えついたのが「メール外来」です。
メール外来では、外来診察の時間に限らず、夜中でもお返事をすることができます。患者さんは不安を抱えていて、ときに一晩さえ過ごすのがとても辛く感じることがあります。そんな時は専門家に相談できることで、心が穏やかになることでしょう。また、メールのやり取りを通じ医師の人間性にも触れたり、分からないことも質問できます。
また、検査結果を早く知りたい、そしてその結果に応じてどうすればよいかを早く知りたい、というのも患者さんの切実な思いです。返事が遅くなればなるほど、不安や不満は大きくなります。さらに、主治医の対応に不安を感じるときにも、安心して話を聞いてもらえる場が必要です。そういうお話を聞ける場として、「メール外来」を始めました。2000年ごろから取り組んでおり、すでに四半世紀にわたって続けています。
ストーリー