心臓血管外科医渡邊剛の40年の軌跡 ~My Story~
バイパス手術におけるオフポンプ手術へのストーリー
かつての冠動脈バイパス手術は、人工心肺を使用して心臓を止めて行っていました(オンポンプCABG)。人工心肺の使用により命を落とす患者さんの確率は統計上明らかで、胸部外科学会が発表している全国統計レポートによると、人工心肺使用のオンポンプCABGの死亡率は約2%、オフポンプCABGは約1%とされています。その差の1%の方が人工心肺が原因で亡くなることになります。
我々は1993年よりオフポンプCABG手術を開始しました。当初は、人工心肺を使用することで合併症がでることが予想される脳梗塞の既往がある方や、肺疾患を患っている方を中心に行っていましたが、ハンデを負ったその方々が合併症なく元気に退院されることが分かりましたので、1998年にはCABG全例をオフポンプで行うことを決めました。
これに伴い、オフポンプCABGを行うための特別な「スタビライザー」という心臓の表面を安定させる機械を開発する必要がありました。
オフポンプCABGを行う上で必要なデバイス「スタビライザー」開発のストーリー
ストーリー