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心筋梗塞・狭心症の症状と治療

ある日突然命を奪われることも心筋梗塞・狭心症(しんきんこうそく・きょうしんしょう)とは

心筋梗塞・狭心症のメカニズム

心筋梗塞と狭心症は、いずれも心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈の病気です。
心筋梗塞は、冠動脈が完全にふさがり、心筋に血液が流れなくなった状態です。心筋が壊死し、重症の場合は死に至ることもあります。かつては、心筋梗塞を発病した人の3分の1は1~2週間以内に死亡したといわれていますが、現在はCCU(冠状動脈集中治療室)が設置されたことで、死亡率は全患者の12~30%程度まで減少しました。
狭心症は、冠動脈が完全にふさがる前の状態です。冠動脈の中は狭くなっていますが、血流が完全に途絶えていないために、心筋の障害は血流が回復すれば元に戻ります。
心筋梗塞・狭心症の原因は、冠動脈の動脈硬化です。動脈硬化におかされた血管の壁は非常にもろくなり、壁の一部が剥がれてその先の血管が詰まってしまうと、血流が妨げられます。血液不足の状態が30分以上続くと、心臓壁の一部は酸素や栄養分が補給されなくなって壊死します。

※動脈硬化と全く異なるメカニズムで起きる特殊な狭心症として「異型狭心症」があります。正常な冠動脈に突然けいれんが発生(れん縮)し、一般的な狭心症と同様の症状をきたします。動脈硬化とは無関係であり心筋梗塞には至りませんが、冠動脈が狭窄する状態はやはり危険ですので、診察を受ける必要があります。

心筋梗塞・狭心症の主な症状

心筋梗塞は、ある日突然、胸を激痛が襲う症状が一般的です。
呼吸が苦しい、冷や汗・脂汗が出る、吐き気がする、胃が痛むなどの症状を訴える人もいます。
多彩な症状を呈することがあるため、40歳以上の男性で、突然感じる上半身や胸部の不快感、不安感を感じることがあれば、すぐに病院で診察を受けた方がよいでしょう。

狭心症・心筋梗塞の前兆について

狭心症は運動をしたときや、急に寒いところに移動したときなど、心臓に負担がかかった場合に、突然胸が痛くなる症状が一般的です。
呼吸が苦しい、冷や汗や脂汗が出る、吐き気がする、胃が痛むなどの症状を訴える人もいます。
これらの症状は一過性で、運動を中断するなどして心臓の負担を減らすと症状は改善します。ただし狭心症は一歩進めば心筋梗塞になるため、必ず病院で診察を受けましょう。

心筋梗塞・狭心症の検査はこちらから ニューハート・ワタナベ国際病院 循環器内科のご紹介 ニューハート・ワタナベ国際病院は渡辺が総長を勤める病院です。

要注意!

以下の事項に当てはまる人は、動脈硬化が起こりやすいので注意してください。

  • タバコを吸う
  • 高血圧である
  • コレステロールが高い
  • 糖尿病がある
  • 透析療法を受けている
  • 身内が心筋梗塞や狭心症になった

要受診!

以下の症状が繰り返す場合には必ず医師の診察を受けてください。

  • 不整脈の前兆
  • 急に激しい動悸が起こる
  • 脈拍が異常に速くなる>
  • ドキンと脈が飛ぶ感じ>

即、救急車を!

以下の症状が10分以上続く人は、すぐに救急車を呼んでください。

  • 狭心症の前兆
  • 激しく胸が痛
  • 呼吸が苦しい
  • 冷汗が多量にでる

心筋梗塞・狭心症の診断と主な治療

冠動脈は大きく分けて「左前下行枝」「左回旋枝」「右冠動脈」の3本あります。どの冠動脈がどれだけ狭くなっているかを確かめるために、冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)を行います。
その他、必要に応じて、心電図、血液検査、胸部レントゲン写真、心エコー検査、心筋シンチグラム検査などを実施します。
心筋梗塞・狭心症には、薬物治療、カテーテル治療、冠動脈バイパス手術の3つの治療法があります。

薬物治療

細くなった冠動脈の血流をよくするために「抗血小板療法」「抗凝固療法」が薬物治療の基本です。その他にも冠動脈を拡張させるように作用する拡張薬や、血圧を下げる、血糖を下げるといった薬物療法があります。ごく軽い狭心症では、薬物治療だけでよいケースもあります。

外科的冠血行再建術

狭くなった冠血管を、カテーテルを使ったり手術で再び血流をもとに戻す治療を行います。

冠動脈バイパス手術

狭くなっている冠動脈の場所の末梢へ、迂回路を作り血管をバイパスさせる手術。
カテーテル治療が難しい狭窄病変や、狭窄している血管が3本以上ある場合などに行います。

バイパス術模式図

心筋梗塞・狭心症の症状と治療

引用:トーアエイヨー
『心臓・血管病アトラス 第4版 平成18年監修 渡邊剛、山科章、重松宏』

チームワタナベが行う手術の詳細は、こちらをご覧ください。

冠動脈カテーテル治療

カテーテル治療とはカテーテルという細い管を冠動脈まで入れて、狭くなった血管や、完全にふさがってしまった血管を広げて血流を回復させる治療法のことです。PCI(Percutaneous Coronary Intervention経皮的冠動脈インターベンション)と呼ばれています。

カテーテル治療には、カテーテルの先につけたバルーン(風船)をふくらませて狭くなっている血管を押し広げる「バルーン療法(冠動脈形成術・PTCA)」、バルーンで押し広げたあとに金網状の筒を置いて血管が狭くならないようにする「ステント治療」、完全に詰まってしまった血管をドリルやレーザーで削って開通させる「ロータブレーター治療」など、さまざまな方法があります。

いずれも、狭くなったりふさがってしまった血管を元のように広げる治療法です。

カテーテル治療の利点と冠動脈バイパス手術の利点

カテーテル治療のすぐれている点は、身体への負担が少なく短時間で治療が終わることです。また、必要であれば再度行えることですが、放射線被ばくも多く造影剤を大量に使うので腎臓が悪くなることがあります。再狭窄が起こりやすい難しい病変には向かないなどの問題があります。また、ステントが入ってしまうと血栓ができないように教職な抗血小板剤を一生飲む必要があります。

一方、バイパス手術が優れている点は、細い血管にも吻合でき一度の手術で血行が完全に回復するということですが、開胸手術であるため体への負担が大きく合併症に注意する必要があります。

複雑な病変にはバイパス手術

狭窄を起こしている冠動脈が3本の血管にわたり数多くの病変があること、冠動脈主幹部病変や、血管が枝分かれしている部分(分岐部)が狭窄しているなど、複雑な病変であること等です。

胸を大きく開く手術が一般的ですが、優れた施設では小切開で行ったり、ロボットを使って手術を行い、カテーテルに負けない体に優しい手術を行っています。

  利点 欠点
心臓バイパス手術
  • ・再狭窄が少ない
  • ・一度の手術ですむ
  • ・完全血行再建率が高い
  • ・開胸するので身体への負担が大きい
  • ・全身麻酔で行う
心臓カテーテル治療
  • ・体への負担が少ない
  • ・短時間で終わる
  • ・再び行うことが出来る
  • ・再狭窄になる場合が多い
  • ・細かく難しい病変、数多くの病変があると難しい
  • ・X線被ばく、造影剤による腎障害等
  • ・強い抗血小板剤を飲むことによる出血の危険

参考

HAS-BLEDスコア… 抗凝固療法を行う心房細動患者における重大出血リスクの評価ができる
http://www.xarelto.jp/ja/home/medical-care-calculator/hasblend/

CHADS2スコア… 心房細動の患者おける脳卒中発症リスクの評価ができるカリキュレーター
http://www.xarelto.jp/ja/home/medical-care-calculator/chads/

DAPT… 抗血小板…抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelet therapy)

NOACs… 非ビタミンK阻害経口坑凝固薬 (non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)

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