前回で心臓外科にまつわる都市伝説をお伝えしましたが、まだありましたので書いてみます。

1.心臓外科医はみな”俺が上手い!”と思っている。時には自分で”俺は上手い!”というバカもいる。

 ほとんどの外科医が持っていると思います。自信家が多いのもこの世界の七不思議です。外科医もたくさん居ますから上手い人も、下手な人もいますので皆が上手いわけはありません。つまり”相手を認めたがらない”わけです。
まわりが言ってくれないから自分で言ってるバカがいます。だいたいそういう人ほど下手なのです。
この意識がいろいろな禍の源です。患者とのトラブル、仕事場での他職種また同僚とのトラブルになっていきます。外科医人生短いから威張りたいのでしょうが上には上がいることを知るべきでしょう。トルコにカラゴッツという外科医がいます。私と同じ年です。かれの手術には無駄が無く、とても早い手術を確実に行います。私の半分の時間で手術が終えていました。私が今まで見てきた外科医のなかで最も上手な外科医です。こういう人の手術をみてしまうとさらに高いところを目指さなくてはならないと実感します。

 患者さんに一言:自分が上手いと行っている外科医の執刀は受けないことが御身のためです。それはうまいヒトではありません。