大学病院はかつては学問の塔として、最先端の医学と医療を提供してきました。東大や京大などは今も大学でなければ出来ない研究ベースでおこなう移植、難治性疾患の治療も行っています。
現代は医学は東大や京大、あと阪大をくわえた大学が主な研究拠点となっていますが、こと心臓外科の臨床についてはセンターや専門病院の時代と言えます。
大学病院に長くおりましたが、研究の好きな私でさえ研究に使える時間は僅かで、臨床や委員会などの大学病院や教授会などの会議に時間が割かれて患者さんとの時間はほとんど無く、手術室に行き患者さんの心臓と初対面することも多かったのです。
わたしは学内政治や学会での誘致活動には全く興味が無く、むしろそういった行為は不潔ととらえていました。病院長や医学部長をめざして上を向いてあるく教授達が多く金沢大学という田舎大学でも多かったのは驚きです。いったい何になるのでしょう?

患者目線からすると、入院して検査して、診断がついて、いったん退院して、外科に受診して、手術日が決まり、手術を受け、他院日が決まる。このプロセスすべてに大学病院ではカンファレンス、教授回診がはさまり決まりますから、じつに膨大な時間を必要とします。

ニューハート・ワタナベ国際病院のような専門病院では、プロフェッショナルが診断し手術予定、術式を決め手術、そして退院となりますから、大学病院で3ヶ月かかったものがやく2週間ですべてが終わります。
この間、患者さんは時間を無駄に費やし、国民の税金を無駄に使って長期入院を余儀なくされる医療が大学病院では普通におこなわれているのです。

どちらがいいでしょう?