2018年にロボット心臓手術が保険適用となりその裾野が広がってきています。
 一方で小切開手術(MICS)を用いた僧帽弁閉鎖不全症に対する手術も15%程度を占めるまでに増加してきました。小切開手術及びロボット手術には、切開の大きさは違わなければなりません。つまり小切開手術はあくまで小切開であって、ロボット手術は他の臓器のロボット手術と同様、小さい鍵穴のような穴だけで手術を行うことがその最も大きなメリットです。
 ロボット心臓手術が広まりつつありますが、ほとんどの病院では小切開においてロボットを使っているに過ぎません。ロボットは費用がかかる反面、傷がほとんどなくなると言う大きなメリットがあります。しかし、わざわざロボットを使うのであれば、たとえ心臓手術であっても小切開手術と同じ切開の大きさでやるのであれば、全く意味がないと思います。
 このたび、一般社団法人日本心臓鍵穴手術研究会を発足しました。
 発足した理由としては、体に対する影響を限りなく小さくするという、超低侵襲手術の目的を達成するため。また、内視鏡だけを用いた完全内視鏡手術の専門家が集まり、その技術試験などを集積し、より負担の少ない手術を広めていくためです。
 同様の研究会は脳神経外科領域にはすでに発足しています。世界的に著名な福島孝徳先生が行っている頭蓋底の鍵穴手術研究会(「日本鍵穴手術頭蓋底治療研究会」)です。その福島先生に、今回我々の心臓鍵穴手術研究会で顧問を引き受けて頂きました。