2018年4月ロボット心臓手術が保険適応となりました
進歩する心臓弁膜症治療
心臓弁膜症治療は超音波検査法の進歩と相まって今日の診療の枠組みが構成されてきました。最近では大動脈弁狭窄症の治療においてTAVI(カテーテル治療)があらたなカテゴリーとして確立しつつあり、今後はカテーテル治療が僧帽弁などにも進んでいくものと思われます。
一方、外科手術にも大きな進歩があり、従来の全身麻酔下、胸骨正中切開にて心臓に到達するアプローチ法から、小切開心臓手術(MICS)やロボット手術が行われるようになり患者の侵襲度は劇的に下がりました。治療によって得られる効果をそのままに、からだへのダメージを極力小さくすることが、いまの医療の大きなトレンドとなっているのです。
またTAVIを代表とする弁の先端機器と、MICSやロボット手術など高度な医療技術の情報は、患者側がインターネットからダイレクトに入手するような時代になりました。
このような治療法の大きな変革の時期に、弁膜症の外科治療の中で手術支援ロボット“ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)”使用が2018年4月に保険適応されましたことは機が熟したといえましょう。
正確で安定した手術を可能としたロボット心臓手術
心臓のロボット手術のメリットは完全な内視鏡手術が可能となったことです。それは小さな4つの穴だけで行う手術を指します。小切開心臓手術(MICS)と呼ばれる小切開手術とは異なりますし、またたとえロボットを使ってもMICSの小切開創からロボットを使用してもメリットはありません。