都市伝説というものがあります。Wikipediaによれば
都市伝説(としでんせつ、英: urban legend)とは、近代あるいは現代に広がったとみられる口承の一種である。 大辞林 第二版には「口承される噂話のうち、現代発祥のもので、根拠が曖昧・不明であるもの」と解説されています。それなりに説得力があるように感じるが本当は根拠のない嘘が多いようです。
心臓外科にまつわる都市伝説をいくつかあげてみましょう。
1.いわゆるブランド病院といわれている病院の心臓外科のレベルは安心できる。
2.ゆっくり丁寧にやる手術が最も良い。
1については、東京には誰でも知っている有名病院が多数あります。研修医にも人気があって3−4倍の競争率です。では各診療科の実力はどうでしょう。内科など症例数ではかれない診療科も多いのですが心臓外科では、症例数が出ています。ほとんどの病院では年間100例にも満たないところばかりです。それでも安心できるレベルなのでしょうか?気になったら有名病院のHPを開いて手術実績(治療実績)を見てください。載っていればいいですが、ひどいところはデータを出していなかったり累積症例をだしたりしてごまかしています。
2については、なんとなく説得力がありますね。ゆっくり丁寧に作る背広、靴、鞄。何となく高級感が漂います。早く安いと聞くと駅ナカの床屋さんや牛丼の吉野屋などを思い出すでしょう?
しかし、こと手術に関してはゆっくり丁寧なんていう言葉はありません。胸が開いている時間が長ければ長いほど出血も多くなりますし、管が入っている時間が長ければ長いほど合併症を起こします。下手な外科医が自己弁護のために作り出した言葉です。
プロフェッショナルは早くて正確な手術をするのです。
患者さんにとっても心臓手術は一生に一回です。正しく病院を選んでください。