2月13日より北京にあるMilitary PLA General Hospitalでおこなわれた手術用ロボット、“ダ・ヴィンチSi(da Vinci Surgical System)のトレーニングコースにプロクター(指導者)として参加しました。これはまた日本での“ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)治験の行程の一つとして義務つけられています。
今回は麻酔科、手術室ナース、人工心肺士を連れての旅行です。PLA genaral Hospitalの心臓外科のチーフはDr,Gao。中国で唯一、克つ最も多くのダ・ヴィンチ手術を行っています。
4年前に北京で会ったときにはまだ30例くらい。我々の方が症例が多かったのですが今回言ってビックリしました。すでのロボット手術が500件を越えています。内容は心房中隔欠損症が100例、僧帽弁形成術も100例、MIDCABが100例、内視鏡下冠動脈バイパス術が75例、連合弁膜症、腫瘍、心室中隔欠損症、心内膜症欠損などなどと続きます。彼のダ・ヴィンチ手術を見ましたが、内視鏡下冠動脈バイパス術を1時間半で完遂していました。手技はSrivastavaそっくりの方法でした。天皇陛下の手術が話題になっていますが、この方法であれば3日目には陛下は退院、皆さんに手を振って来るまで御所にお帰りになっていたでしょう。

欧米の外科医と違うところは、欧米では弁膜症専門とか、冠動脈バイパス手術専門でダ・ヴィンチもわかれますが、彼は両方ともきっちりこなしているというところです。世界に比肩できる症例数(ひょっとするとNo1かもしれません)をわずか4年で成し遂げる凄さを目の当たりしました。
我が国に目を向けると、私自身150例、心臓手術のダ・ヴィンチはいまだ薬事承認されずに、治験です。そんなに心臓のダ・ヴィンチ手術が危険なのでしょうか?厚労省の高度医療専門会議のメンバー医師にロボットを嫌う人が居ると聞きます。ロボットに触ったこともない人がロボット使用の是非を決める、”盲人が象をなでる”ごとき愚行をいつまで続けるのでしょうか?

となり韓国では、ロボット使用は混合診療として別途7000ドルはらうと保健と併用の施術をうけられます。日本ではロボット手術をすると全額自費で、バイパス手術以外の心臓手術であれば300万円は覚悟しなければなりません。まるで寮生活の定食は寮費に含まれているのに、刺身を一品トレイに載せるだけで全部の定食代と刺身代を取られるような話です。これはどう考えてもおかしいです。先端医療に関しては混合診療を認めませんか?

はなしはずれましたが、北京ではcase obsevationも含め堪能した4日間でした。