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2015年3月25日『人民日報』 世界最高の心臓手術成功率・日帰り手術について

人民日報
特別インタビュー

ニューハート・ワタナベ国際病院
渡邊剛総長、河内賢二理事長に聞く

(聞き手は本誌編集長 蒋豊)

心臓病の日帰り手術を可能に

1990年代に低侵襲外科手術が登場し、心臓外科分野にはじめてロボット手術という概念が生まれた。中国では国の発展にともない、ますます多くの人びとが自身の健康、病気予防を重視するように なってきた。近年、多くの中国の患者が観光ビザではるばるアメリカにロボット低侵襲心臓外科手術を受けに行っている。それは3日間で退院できるからだ。現在、この種の手術はアメリカの病院だけでなく、日本にも専門病院があり、そこでは日帰り手術が可能だと聞いて、ニューハート・ワタナベ国際病院の渡邊剛総長、河内賢二理事長を訪ねた。

■天才医師がいなければ良い病院はつくれない

―― 貴院は世界的な先進医療技術、医療設備と医療環境を持つ心臓病専門病院で、国内外の専門誌でも大きく紹介されていますが、この専門病院を設立されるにあたってどのような動機や趣旨があったのですか。

河内 私は渡邊先生ともに心臓外科医師です。私たちは、心臓病の治療方法には足りないところがあり、特に日本の心臓病の分野では医療の質が十分に保障されていないと考えました。医師が持つ情報と患者の持つ情報とが不均衡なのです。患者は病院が提供する医療の良し悪しを判断することはできません。

そこで、私は渡邊先生と話し合い、共同で心臓病専門病院を設立することを検討しました。私たちの病院は規模の面では大学病院などの日本の大病院には及びませんが、短期に集中して高度な医療を提供することができ、患者に透明性の高い医療情報を提供することができます。そこで10数年頑張りました。

病院を成功させようと思ったら、良いアイディアが必要です。良いアイディアを実現させようとしたら、良い医療技術のサポートが必要です。大げさではなく、もし日本が渡邊剛という「天才医師」を生んでいなかったら、この病院はまったく設立不可能でした。「天才医師」がいること、これは良い病院の最も基本的な前提条件です。

■世界最高の心臓手術成功率

―― 渡邊先生、理事長は「天才医師」と評価なさっています。貴院で使用している手術支援ロボットのダ・ヴィンチの手術成功率は99.8%で、世界最高の手術成功率とのことですが、なぜそれが可能なのでしょうか。

渡邊 99.8%の成功率は口先だけのことではなく、手術室で得られた実際の数字です。つまり正確でスピーディーな手術ができると同時に、100%に近い成功率も保証しています。

当院は心臓病治療の専門病院です。医師はもちろん、看護師も日本全国から選ばれた心臓病分野の専門人材で、最高の専門性を持っており、緊急の状況にも対応できます。それと同時に、私たちが提供するのは一般的な手術ではなく、手術支援ロボットのダ・ヴィンチを使用した低侵襲外科手術で、手術成功率は100%に近く、これが当院の特殊性であり、一番われわれが誇りにしている点です。

現在、一般の病院での手術の成功率は98%前後です。つまり100名が入院したとしたら、98名しか退院できず、あとの2名は帰ってこないということです。しかし当院では100名の患者が入れば100名が退院して行きます。200名の患者が入院すればもしかしたら1名は退院できないかもしれない。つまり、一般の病院は当院に比べて4、5倍の手術リスクがあるということで、ここに当院の強みがあります。

■「医経分離」が病院成功のカギ

―― あらゆる事業には、経営を通じて表現しようとする「経営理念」があり、その達成のために、理念を具体化した「経営方針」があります。成功のカギとなる病院運営の経営方針について、お話いただけますか。

河内 当院の経営方針は「医経分離」です。患者にも医療スタッフにも良いやり方です。日本の大部分の病院は医師が院長となり経営しています。これが伝統的なやり方ですが、弊害があります。例えば、患者がすでに退院できる状態なのに、ベッドが空くのは経営上好ましくないので、医師は何日か長く入院させます。また、ある月の収入状況が良くなければ、経営上の配慮から月内に医師に大手術をさせます。実際、表面には見えな いところで、多くの病院の医療スタッフは経営面でのプレッシャーを背負っています。このような情況では、医療スタッフが患者に不要な医療行為を行う可能性もあります。

私は外科医の免許を持っていますが、当院では医療にタッチしません。経営責任者として、私はスタッフになるべく多く給与を支払いたいと思いますが、この負担を医療スタッフに加えることはできません。経営方面について、定期的に渡邊先生にご報告しますが、私は絶対に医療方面のことに口をはさみません。

「医経分離」という経営方針を守ることで、当院の医療スタッフは一心に医療技術を追求でき、患者に最高、最適な医療方法を提供できるのです。

■日本の医療でツーリズムを一新したい

―― 2014年の中国からの訪日客数は前年の2倍近い約241万人でした。それに伴い、中国でトレンドになっている医療ツーリズムの増加による外国人患者受け入れの状況と今後の期待感についてお聞きします。

河内 昨年5月から現在まで、当院では中国大陸、台湾、ロシアからの患者を受け入れていますし、中国各機関から 問い合わせの電話やメールを多くいただいています。つい先日、当院では中国大陸の患者を受け入れました。この患者さんは何永仙という方ですが、当院での手 術が成功した後、私たちを中国の三国時代の名医である華佗だとするペナントを贈ってくださって、とても感激しました。日本人患者からこんなことをしていただいたことはありません。

当院には新しいアイディアがあります。医療ツーリズム、中国人患者ということでは、一般的に心臓の悪い方は年配であり、彼らの目や歯も良くないかもしれませんから、中国人患者が心臓治療を受けた後も、引き続き日本で目や歯の治療を受けたり、女性患者では美容整形手術を受けたりできるよう提案しています。

渡邊先生による手術を受けて新しい心臓、ニューハートを獲得した患者が、同時に新しい目や歯、新しい容貌を手に入れれば、新たな気持で一段階新しく健康的な、素晴らしい人生が送れると思います。

■日中両国の医療交流を拡大したい

―― 最近注目を集めている大気汚染物質PM2.5が心臓にも悪いという報告が国際心臓学会で発表されたとの報道がありました。中国では心臓疾患患者の増加にともない、心臓外科医の育成が急務となっています。若手医師の育成など、中日間の医療交流の重要性についてはいかがでしょうか。

渡邊 10年間、国立金沢大学医学部の教授を務めましたが、その間、中国人留学生3名とブルガリア人留学生1名、ベトナム人留学生1名とともに、心臓外科手術と関連の研究課題に取り組みました。また同時期には中国の瀋陽医科大学からも3名の医師が3カ月間にわたり冠動脈バイパス手術について学びに来ました。彼らは帰国後に高い手術成功率を維持し続け、現在では平均して年間1000人以上の患者に冠動脈バイパス手 術をおこなっているそうです。中国の解放軍301病院の心臓外科主任である高長青医師も私についてロボット手術を学びましたが、彼の帰国後に301病院は 中国で初めてロボット手術が可能な病院となりました。

現在、中国では解放軍301病院しかロボット手術ができる病院はありませんが、中国は広く人口も多く、こういう分野の医療のニーズも大きいので、私は多くの中国人留学生や医師を指導し、中国の各大都市に先進医療を提供できる病院を増やしたいと思います。私も彼らを指導しているなかで、彼らから教わることも多いのです。

■アメリカでできないこともできる

―― ロボット手術の領域ではアメリカが日本より先行していますが、現在では日米でこの発展のスピードは同じでしょうか。

渡邊 米国でできることは日本でもできるが、当院でできることはアメリカではできない、と言えるでしょう。特にロボットを使用しておこなう冠動脈バイパス手術は、アメリカではまだほとんど行われていません。この領域で当院は世界で最も進んでいます。

■日帰り手術が可能に

―― 渡邊先生は現在、ロボットを使用した冠動脈バイパス手術の第一人者ですが、医者を志したきっかけは何ですか。これまで様々な偉業を成し遂げられてきた先生の将来の夢、ビジョンについてお話いただけますか。

渡邊 私が医師を志したのは中学生の時でした。その頃私は手塚治虫の漫画『ブラックジャック』が大好きでした。この漫画は私に生命の尊さと医師の重要性を教えてくれました。私もブラックジャックのような医師になりたいと思いました。

患者にとって、入院して手術に要する日数、費用ともに生活と仕事に影響します。私の目標は、患者に日帰りの心臓手術を提供し、患者に最も都合がよく、最も早く、最もリスクのない情況で最高の手術を受けていただき、当日中に家族のもとに帰っていただくことです。

取材後記 取材後、渡邊医師は「鬼手仏心」と揮毫してくださった。スピーディーで神秘的な「鬼の手」と、人びとの苦しみを取り除く「仏の心」 を持つという意味だが、まさに彼自身を描写する言葉でもある。病院を出る時に、中国人患者の何永仙が退院時に贈ったペナントが目に入った。それには、「医徳が高い華佗の再来、完璧な医術で奇跡を創造する」とあった。(写真/本誌記者 呉暁楽)

(筆者) 蒋豊。1959年6月北京生まれ。88年に来日し、94年九州大学院卒。現在は在日華人向けの中国語紙「日本新華僑報」編集長で、「人民日報・海外版」日本月刊編集長。中国の複数のテレビ局で特約ジャーナリストとしても活躍する。

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