心臓血管外科医 渡邊剛 公式Webサイト
心臓手術のご相談はこちらまで(24時間対応) ※携帯・自動車電話・PHSからもご利用になれます。
0120-599-119

2012年12月13日『週刊文春』心臓内視鏡手術について

病院情報ファイル 取材・構成恵原真知子

心臓内視鏡手術
心臓手術が局所麻酔、肋間切開で済み、半日後からトイレ通いが可能な新技術。

大部分の心臓手術は、首の下からへそにかけて縦一文字に骨も切る、成虫切開で行われる。執刀医が十分な視野を確保するための大きな切開は不可避で、安全性からみても当然の処置だ。しかし胸腔鏡や腹腔鏡の名手たちは、開胸や開腹でできる手術はすべて鏡視下でもできるとの信念からそのノウハウを編み出し、技を磨いてきた。
金沢大学附属病院心臓血管外科の渡邊剛教授は、数年前までは主な心臓手術を進化型内視鏡というべきロボットアーム利用で行う世界唯一の医師だった。「ロボットアーム発祥の国アメリカでは、冠動脈バイアス形成だけ、あるいは形成・置換だけを行う医師がふつうです。私は、もともと成人の心臓病すべてを胸腔鏡利用で行うべく修練してきたので、ダ・ヴィンチ(ロボットアームの商品名)を得た以上、全てをこなすつもりで技術を習得し、様々な治療が可能になりました」ダ・ヴィンチ手術の患者にとってメリットといえば、まず肋間切開(骨は切らない)ですむ圧倒的な身体負担の軽さと、ロボットアームの特徴でもある安全性や確実性だろう。
渡邊教授は技術の修練と同時に周辺技術も確信し、心臓を動かしたまま行うオフポンプ導入は国内初(93年)で、心臓の半覚せい局所麻酔採用も第一号(98年)。これは脳外科が最初に用いたものを素早く導入したもので、全身麻酔に比べて脳梗塞などのリスクを軽減し、回復期間も早まる。
安全確実で、身体負担の軽減と小さな切開創を実現する心臓手術(事実上の日帰り手術)-メイドインジャパンの心臓手術パックが利用可能な状況にあるのだ。ネックは一部のバイパス形成術を除きすべて自由診療扱いで、高額な地用日になるということだろう。

正中切開は女性の心の傷に
表中の心房中隔欠損症(ASD)は、卵円孔開存ともいわれる先天性疾患。卵円孔は胎児期に閉じるべきところが数ミリほど開いたまま生まれたもので、二歳頃までに事前閉鎖もありうるが、閉じなければ心不全などに進展することがあり、手術が検討される。
「ポイントは欠損部位と大きさで、条件が合えば最新のカテーテル治療で閉鎖でき、半年間の血栓予防服用で解決します。この適用外なら手術必至。特にダ・ヴィンチ手術を歓迎されるのが女性患者さんです。大半は小児期に病気が発覚し、将来に手術の不安や恐怖を抱えるわけで、成虫切開だと術後は温泉も水着もダメ、恋はどうなる・・・などと萎縮しがち。治療後も新郎は計り知れません」

 心臓を安全確実に治すだけではなく、軽い身体負担、病とともに心も癒したい、合併症予防の技術開発も…と執念を燃やした外科医とダ・ヴィンチの出会いがハイレベル手術パックを完成させた。多くの患者に恩恵をもたらすだろう。
手術の実際は、ASDでもバイパス形成でも硬膜外への局所麻酔科に肋骨切開でアプローチし、患者と必要に応じて会話を交わしながら進められる。所要時間は開胸手術と大差なく、半日後には車椅子でトイレにも行ける。当日から飲食可能で、入院は数日~一週間程度。
渡邊チームがダ・ヴィンチを導入して八年になるが、自由診療ゆえ日本ではぞんぶんに使えない状況。指導を受けた中国人医師は世界最多症例を誇り、韓国人医師も症例数を伸ばしている。日本でしか受けられないシステムが整えば外貨獲得にもなる。先進医療の経済的効果にも関心を!

メディア掲載の一覧に戻る