心臓血管外科医 渡邊剛 公式Webサイト
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心臓手術について これから手術をお受けになる方へ

良い病院の選び方

1. 症例数や成績は公表されているか?

症例数や手術成績をホームページ上ではっきり出していて成績の良いところは安心できる病院と思います。10年分の症例数を集めて多く見せたりする施設や、成績はもとより成績ののっていない病院が多数あります。ご注意ください。

2. 症例数が多いだけでなく成績も良いか?

症例数だけは多いが成績の悪い施設はあります。その理由は、その地域の中核病院で心臓はその施設だけが手術しているような状況にあるからです。東京ではあまりみられません。

3. 術式別の成績も確認できるか?

術式により成績には差があることがあります。
たとえば冠動脈バイパス手術は成績が良いが、弁膜症はさっぱりといった具合です。
死亡率ものっているWebサイトを見つけましたのでご参考にして下さい。関東では特に偏りがあるようです。

4. 大学病院や有名病院は安心でしょうか?

大学病院でしか心臓手術をしていなかったのは30年前の話です。
現在は専門病院へと賢い患者さんは軸足を移しています。大学病院は多くのベッドをもって安心感があるようですが、心臓外科という診療科のもっているベッド数は平均25ベッドで医師数もそれほど在籍していません。
手術室は全科の手術がたて込み満員状態で手術待ちが多数出ています。緊急心臓手術でもなかなか入らないところは多数あります。

5. スムーズでしょうか?

初診から検査、また受診して説明、そして教授診察、検査入院、CT検査は後日、MRIもとる?手術はいつになるやら。といった声を良く聞きます。
大学病院は教育機関であり手術日決定まで1ヶ月以上かかり、手術は順番待ちで1か月後総計二か月がかりというのが大学病院です。
大学病院信奉者はいらっしゃるのでそれはご自由ですが、海外では受診から診断確定、手術日決定までは即日に行います。心臓外科専門病院であればその点はスムーズでしょう。

6. 医師は親切か?

これは問題です。あなたとの相性もあります。
インターネット上で動画やブログなどがあればその人となりが分かるでしょう。
あとは外来でゆっくり話しを聞いてくれるかが決め手です。

手術成績

手術の成功率=100% - 死亡率

患者さんが医師を評価するのはこれだけです。
心臓手術の成功率100%は患者も医師ともに共通の祈りです。ですから100%に近い手術を受けたいものです。では日本の平均の手術成績はいかほどのものでしょう?

日本胸部外科学会が毎年、主要施設にアンケート調査を行い約5万例を集計しています。
無記名で申告制ですから本当の数字は分かりません。2013年分を示しますので参考としてください。

術後30日以内の死亡を“手術死亡”とし入院中の死亡を“在院死”と定義しています。

日本の手術成績(日本胸部外科学会学術調査結果2013年分)

2013年1月〜12月 日本胸部外科学会学術調査 550施設集計(抜粋)

弁置換術(同時手術のCABGを含む)

  手術件数 手術死亡
(30日以内)
手術死亡率 在院死亡 在院死亡率
大動脈弁単独 大動脈弁置換術 9561 211 2.2% 281 2.9%
大動脈弁形成術 307 6 2.0% 8 2.6%
僧帽弁単独 僧帽弁置換術 1496 57 3.8% 84 5.6%
僧帽弁形成術 3057 24 0.8% 33 1.1%
2弁置換形成 大動脈+僧帽弁 1373 53 3.9% 63 4.6%
TAVI TAVI 97 1 1.0% 2 2.1%

冠動脈バイパス手術(CABG)

  手術件数 手術死亡
(30日以内)
手術死亡率 在院死亡 在院死亡率
初回 人工心肺使用心停止CABG 2827 26 0.9% 43 1.5%
初回 心拍動下CABG 8031 49 0.6% 90 1.1%
  心拍動下CABGトラブルより
人工心肺へコンバート
131 6 4.6% 7 5.3%

胸部大動脈瘤

  手術件数 手術死亡
(30日以内)
手術死亡率 在院死亡 在院死亡率
非解離性大動脈瘤 上行大動脈置換術 1151 25 2.2% 32 2.8%
大動脈基部置換術
(Bentall 手術)
878 15 1.7% 23 2.6%
弓部大動脈置換術 2074 43 2.1% 70 3.4%
解離性大動脈瘤 上行大動脈置換術 2522 181 7.2% 211 8.4%
大動脈基部置換術
(Bentall 手術)
199 34 17.1% 35 17.6%
弓部大動脈置換術 1314 100 7.6% 115 8.8%

Web情報ツール

2012年前後の集計かと思いますが冠動脈バイパス手術、弁膜症、大動脈瘤手術の件数と成績が出ているサイトがあります。
弁膜症などは施設により成績がまちまちであることが分かり、症例が多いからといって良い成績ではないことが明らかになりました。
ご自身の住んでいる地域で一番とされる病院の症例数や成績を参考にしてください。

費用について

自己負担限度額

高額療養費制度は、具体的には1つの医療機関の窓口で支払う一部負担金の1カ月(月の初日から末日まで)の合計が一定額(=自己負担限度額)を超えた場合、保険者(市区町村や健康保険組合)がその超えた分(=高額療養費)を申請により後で(診療した月から4カ月~後)払い戻してくれるという制度である。

つまり、高額療養費制度のおかげで、医療費の自己負担額には自己負担限度額という上限が設定されることになり、医療費の支払額に歯止めがかかる仕組みとなっている。
これにより、どんなに医療費が高額となっても、この自己負担限度額を超える額は、申請さえすれば(逆にいえば、高額療養費制度の恩恵を受けるためには原則として申請が必要ということである)、後日、高額療養費として、支給を受ける(払い戻してもらう)ことができる。

限度額適用認定証

ただし、高額療養費の給付を受けるには1カ月に1度の申請が必要となり手続きが大変で、また、いったんは窓口で自己負担額の全額を支払う必要があり、その払い戻しにも4カ月以上はかかるため、経済的負担が大きい。

そこで、限度額適用認定証という高額療養費制度とはまた別個の制度があり、この制度を利用すれば、申請手続きを簡略化できるだけでなく、自己負担限度額を超える額については窓口で支払う必要さえなくなる。
つまり、後払いではなくなり、窓口負担が自己負担限度額のみですむ。

[保険]医療保険・年金保険等 - 高額療養費制度とは より引用

最後に

心臓手術は安全になってきたとはいえ、どんな名医であっても100%の手術はありません。

ご家族、ご本人とも納得した施設でご理解の上手術を受けて頂きたいと思ってこのWeb情報を立ち上げました。宜しくお願いいたします。